読み終えた!


フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー (新潮文庫)



いくつかの時代に起きた出来事がどこかへ繋がっていくストーリー、ということで
映画版を見る前にこちらの原作を読んだ訳ですが。
読み終わって映画の公式サイトを見てみたら、単行本化する前に映画化されたようで
結構内容が変わってるみたいですね。
というか単行本全部じゃなくて、単行本中の「フィッシュストーリー」だけを映画化したのか。それでも多少内容が変わってますね。


だもんで原作で個人的にぐっときた最後の話「ポテチ」(単行本書き下ろし)が映画にはない!ががーん!
「ポテチ」に出てくる今村という、頭いいんだかすっとぼけてんだかわかんないゆるーい男が居るんですが、その今村君がいいなあと思ったのににに。
…なんか今村という名前のせいとキャラのせいか、なんとなく人物像のイメージが某今西さんになってしまったという。。笑



伊坂作品は犯罪小説の体を成してるのに、やわらかくて静かで、押しつけがましくない希望がどこかにはある、という印象があります。
淡々としたユーモアと、淡々とした悲しみと、淡々とした空虚さと、気付いたらそこにあった希望。そういうのが、置いてある。
物語の展開自体は漫画みたいにシュールだったりドラマチックだったり、たまにはトンデモだったりするのに不思議ですね。
サクリファイス」「ポテチ」に出てくる黒澤というキャラクターが、伊坂作品のそんな空気をまさに代表してるように思います。
「死神の精度」の主人公千葉もそうかもしれない。