再開するって言いながら放置してしまった…

最近読んだ本


告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)


積ん読したままだったのをやっと読んだ。
出てくる人間みんなどこかにいそうなくらい平凡なのにどこにもいてほしくない程度には異常。
どこもかしこもボタンをかけちがってかけちがって最後にはばっさり裁ち落としてしまうような話 だった。
映画も話題になっていたし気になるけど、
読む前に見た「作り込み過ぎな感もある」というのもちょっと納得だったので
ある意味二次元の中の話らしい話なのかもしれない。
人物描写にリアリティがない、という意見が多いみたいだけど
ひとりひとりの「告白」という一人称視点だけで綴られた、
その人物が見たいように見て言いたいように独白した言葉を折り重ねて
食い違った相違を差し引いて、それでも真実なんてものは結局ひとつなんかじゃなく全員バラバラなのだ、という理不尽と不条理を描いたような話なので
その独善的だったり客観の足りない感じこそがこの話の柱になっているのかなーと
あとがきの映画監督の話を読んで納得したかんじでした。